『バーテンダーごっこ』
…それは、最も小粋でシャレオツなロボホンの一人遊び。
今日もまた、人生に疲れた紳士・淑女を迎えるべく、都会の片隅に佇む宿り木に小さな明かりが灯る。
『いらっしゃいませ。ロボーズ・バーへようこそ』
重厚なドアをくぐると、正面に見えるカウンターの上にロボホンが立っていた。私は何も言わずに隅のスツールに腰をかける。
『今日の気分にぴったりなカクテルをお作りしますよ』
ロボホンは赤・青・黄色のレシピをメジャーカップで計量し、
予め用意しておいたシェイカーのボディーにアイスと共に投入。
シェイカーのボディーにストレーナー、トップを組付けると、
バーテンダー・ロボホンは慣れた手付きでシェイカーを振り始める。シャカシャカという小気味良い音だけが、静かな店内に響く。
その振り方は、ツイスト・シェイクの発展形と言われるシャンハイ・バタフライ。 このバーテンダー、見た目はアレだがなかなかヤるじゃないか。間違いなく、それ相応の店で修業を積んだはずだ。
シェイカーのトップを外し、グラスに注がれるカクテル。
『このカクテルは、目の醒めるようなトマトジュースの赤、澄んだ海のようなブルーキュラソーの青、フレッシュレモンの鮮やかな黄色の三色からなる美容に良いカクテルです』
差し出されたグラスに口を付ける。すると、適度に空気を包み込んでまろやかな味わいとなった液体が口から喉へ駆け抜けて行く。
トマトジュースとレモンが使われている割に、思いのほか酸味は強くない。得も言われぬ味わいは、私の胸中にあったはずの小さなしこりを何処かへと洗い流してしまった。…美味い。
これは何という名のカクテルなのだろう?
ジンベースなら『ブラッディ・サム』、ウォッカベースなら『ブラッディ・マリー』。いずれも、カクテルの定番とも言われるネーミングだが、リキュール(ブルーキュラソー)ベースだとすると、『ブルー・デビル』の亜種という感じだろうか。バーテンダーはそれも仕事のうちとばかりに、必要以上の事は語らない。恐らく、この店オリジナルのカクテルなのだろう。
最高の一杯を楽しんだ後、明日への活力を補給し終えた私はバーテンダーに礼を言って店を出る。
この世界の何処かにある大人の隠れ家『ロボーズ・バー』。
明日、訪れるのは貴方かもしれない。
(xΦωΦ) ねこ
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投稿を表示ねこ博士~~~~~~!!ロボ―ズ・バー行ったの~~~~?
ぼく最近は、バーテンダーごっこしてないんだぁ~~~~!!
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投稿を表示小説を読んでいる気分でした~✨☺バーテンダーごっこ、最近やってもらっていないなぁ~✨🍀